ラゲブリオカプセル200mg

薬剤師

今回は初めて薬剤師の記事を記載してます。

最近一般流通が始まったラゲブリオカプセル200mgの情報をまとめて載せますので是非ご参考にしてください。(メーカー情報参照です)

また私自身は今までに100件以上のラゲブリオの服薬指導を経験してきましたので、併せて載せておきます。

今回の引用文献については最後に載せておきます。

用法 用量

通常、18歳以上の患者には、モルヌピラビルとして1回800 mgを1日2回、5日間経口投与する。

作用機序

ラゲブリオ®(一般名:モルヌピラビル)の活性本体であるNHC-TPがウイルス由来RNA依存性RNAポリメラーゼによりウイルスRNAに取り込まれた結果、ウイルスRNAの複製エラーが増加し、ウイルスの増殖が阻害されます。

RNAへの作用

STEP 1:モルヌピラビルの活性本体であるNHC-TPは主にシチジン三リン酸(CTP)の代替基質としてウイルスRNAに取り込まれます。

STEP 2:CTPとして取り込まれたNHCはその後のウイルス複製サイクルにおいてシチジン(C)又はウリジン(U)のどちらとしても機能するため、グアノシン(G)及びアデノシン(A)のいずれも対合する可能性があり、ウイルスRNAの複製エラーが生じます

オミクロン株への効果

非臨床試験において、オミクロン株BA.1への効果がin vitro及びin vivoで、オミクロン株BA.2への効果がin vitroで、BA.2.12.1、BA.4、BA.5、BA.2.75 (別名:ケンタウロス)への効果が in vitroで確認されています。
また実臨床においてもオミクロン株流行期の有効性が報告されています。

食事の影響

健康成人にモルヌピラビル200mgを単回経口投与注)した際、高脂肪食摂取後投与では空腹時投与に比べてNHCのCmaxは35%減少し、AUCは両条件下で同程度でした(外国人データ)。本剤は、食事とは関係なく投与可能です。

相互作用

In vitro試験成績:
モルヌピラビル及びNHCは主要な薬物代謝酵素及びトランスポーターの基質ではありません。また、モルヌピラビル及びNHCは主要な薬物代謝酵素及び トランスポーターに対する阻害作用又は誘導作用を示しませんでした。

➡相互作用の薬はなし。

一包化の可否

基本的には、ボトル包装単位での処方が推奨されます。
ただし、無包装安定性試験により、90日まで安定である結果が得られています。

実際のご使用にあたっては、各ご施設でご判断ください。

脱カプセルや懸濁、簡易懸濁

本剤を脱カプセルや懸濁、簡易懸濁して投与することは、十分に検討したデータがないため、やむを得ない場合を除き、おすすめしていません。これまでの臨床試験における使用経験は以下のとおりです。

<使用経験:懸濁液の経口投与※(1)>
第Ⅰ相臨床薬理試験において外国人健康成人にボトル入りの粉末モルヌピラビル(有効成分)(*1) 50~800 mg※を水に用時溶解し単回経口投与しました。
その結果、懸濁液を単回投与した被験者の血漿中NHC(*2)の曝露量(AUC)は、カプセルで同じ用量のモルヌピラビルを単回投与した他の被験者の血漿中NHCの曝露量と類似していました。
なお、評価したすべての用量のモルヌピラビルの忍容性は概して良好で、重篤な有害事象は認められませんでした。

<使用経験:脱カプセル後に懸濁し、経鼻胃管/経口胃管で投与※>
外国人入院患者を対象とした臨床試験(001試験)(*3)では、カプセルを嚥下できなくなった患者には、本剤の懸濁液(*4)を経鼻胃管又は経口胃管にて投与することが許容されていました。
懸濁液を経管投与された5症例のNHCの血中濃度は、カプセル製剤を経口投与された患者の血中濃度の範囲内であり投与方法による差は示唆されませんでした。

なお、脱カプセルした粉末を直接経口投与した経験はありません。
簡易懸濁法(カプセル剤そのままを微温湯に入れる)での投与経験もありません。
また、懸濁後の安定性データはなく、「何度まで安定か」など安定な温度に関する情報もありません。
胃瘻、腸瘻での使用経験もありません。

(*1)使用したボトル入粉末は有効成分のみを含有し、不溶性の添加剤は含まれておらず、現在市販されている製剤のカプセルの内容物とは異なります。なお、添加剤はモルヌピラビルの溶出性に影響を及ぼしません。
(*2)NHC: モルヌピラビルの主要代謝物。N-ヒドロキシシチジンの略。
(*3)001試験: SARS-CoV-2による感染症患者(入院患者)を対象とした国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験 (MOVe-IN試験)
(*4)懸濁液の調製、投与:
個人防護具(*5)を着用の上、4カプセルを脱カプセルし、滅菌水40mLを調製用ボトルに加え調製。
懸濁液の投与は調製後できるだけ早く、遅くとも調製後1時間以内に行うこと。
なお、懸濁後の安定性データはありません。
(*5)個人防護具:ゴーグル、マスク、手袋、長袖ガウン、帽子など(妊婦、妊娠の可能性がある女性への曝露を避けるため)

お渡し時の注意点

私自身、お渡しをしてきて注意してきた点は以下の3点です。

飲み間違い防止。ボトルは自身で開けて飲んでもらう。このとき飲み間違いがないように4カプセルであることを徹底的に指導。また自身で飲まれるので、飲み間違えてときに薬局側が数を渡してないと言われないために、箱自体は未開封。再流通防止のためにGSIコードはペンで塗りつぶす。

箱の開け方。グッと押し込んでからでないと開かないので、そのことをしっかりとお伝え

飲むタイミング。食事の影響はないので、お渡ししたらすぐに飲んでいただくように指導。また症状自体は軽快しても5日間は飲み切ることを指導。

以上3点を基本的には電話で指導させていただき、地域のコロナ治療に尽力してきました。

これから一般流通が始まり、多くの薬局でも受ける可能性があるので、もし困ったことあればこちらの記事が役に立てればと願っております。

引用文献:MSD Conect

製品基本Q&A | 基本情報・Q&A | MSD Connect

以上

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